第64回 オールスター競輪

古性優作/ S1 100期 大阪

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HERO STORY

7度目のG1決勝で悲願叶えた自在の“虎将”

BMXとの出会い

1991年2月22日、大阪府大阪市生まれ。小学生になる頃、誕生日プレゼントを買ってやるという親と一緒に行った店で出逢ったBMX用の自転車が、彼の運命を決めた。大阪では堺市にしかなかったコースをひたすら走る少年時代。中学校では体力作りのためにラグビー部に入るが、BMX中心の生活を続けた。2006年から3年連続でBMX全日本選手権ジュニア部門優勝。北京五輪から正式種目になったBMXでオリンピックに出場して「HERO」となるべく、アルバイトをしながら練習に励んでいたが、これだけで食べていくのは難しいと、競輪学校を受験する。2010年、入学。2011年に卒業後、岸和田競輪場のデビュー戦で完全優勝を果たすなど華々しい成績を収めていくが、BMXの大会にも出続けていた。二刀流と言えば聞こえはいいが、どっちつかずになってしまうのは本人も自覚。五輪を目指している選手に失礼だと思い、“本職”として競輪に専念した。

遠かったG1優勝

G1で勝てるような選手になりたいと意識した2014年頃からさらに強さが増し、グレードレース常連のスター選手となった。2016年の寛仁親王牌で初のG1決勝進出。BMXで鍛えた当たり負けしない身体で縦横無尽に暴れ回る姿から“虎将”と呼ばれるようになった男はその後、何度もG1優勝に挑んだが、どうしても頂点に辿り着かなかった。優勝できるかできないかはわずかな差だが、それが大きい。

徹底した自力強化の先に

自分はタイトルが獲れないのかもしれない…と塞ぎ込んでいた古性を奮い立たせたのは、同学年の松浦悠士と郡司浩平の存在。そして脇本雄太という巨人だった。他地区の2人は打倒脇本なのに、同地区の自分は脇本を差すことしか考えていなかったことに気づく。別線でも脇本と戦える力を付けるべく、鍛えた結果が、今年の活躍である。そして…G1決勝7回目の挑戦となった、8月のオールスター競輪(G1)でついに悲願達成。結果は脇本の番手差しであったが、脇本に自力で負けない力を付けたからこその優勝だった。BMXで鍛えたとはもう言わせない。競輪で強くなった“虎将”が、GPの頂きで輪界の「HERO」となる。